4%の恐怖。相手を支配する「良心をもたない人」の事件 [犯罪・事故・防犯]
【近隣住民まで“恐怖支配” 美代子被告、25年の闇】
「兵庫県尼崎市の民家から3遺体が見つかった事件で、角田美代子被告(64)の義妹の元夫で、自宅マンションの元所有者だった男性の母親(84)が、殺害・遺棄されている疑いが判明した。(中略)多くの疑惑がここまで表面化しなかったのは、被害家族や親族だけではなく、周辺住民の口さえもつぐませる圧倒的な恐怖があったとみられる。」
尼崎事件の異常性、残忍性が注目されています。この事件のように、主犯格が周囲の人々を、長期間にわたって恐怖で支配するという事件は、数こそ少ないもののこれまでも何度かありました。これらはいずれも、「良心をもたない人」による事件だと思われます。
マーサ・スタウト女史によると、「良心を持たない人」というのは、いわゆる殺人鬼はサイコパス、虐待などにより異常をきたした上での犯行、といったような、通常私たちが想像しえる原因とは関係なく発生するようです。
さて、私たちがこの手の事件を見聞きするとき、なぜ被害者らは言うなりになってしまうのか、逃げ出さないのか、反撃しないのかと不思議に思うこともあります。ですが、この被害者らにかかわらず、抵抗は不可能なのです。
私たちの多くが彼らの立場にたったら、恐らく抵抗はできない・・・そういう可能性があります。
過去の類似事件を見ると、支配された側の人間には、会社の社長や元警察官、暴力団の男といったように、能力や腕っ節に関係なく、隷属状態に置かれるケースが見られます。
そして主犯格は他人の支配の仕方を熟知しており、実践している人間です。そして他人の痛みに鈍感というか、気にせず、人を傷つけることに躊躇がありません。
丹念に取材された過去の事件を見ることができる下記のような本があります。読めば、恐らく衝撃を受けることになるでしょう。彼らに狙われた世界というのは、平穏な日常から断絶された、想像を超える異常な世界です。
殺人者はそこにいる―逃げ切れない狂気、非情の13事件 (新潮文庫)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2002/02
- メディア: 文庫
前述の「良心をもたない人」マーサ・スタウト女史によると、良心を持たない人というのは一定の割合で存在していて、アメリカの場合で人口の4%、つまり25人に1人がそうであるといいます。日本の場合では、その割合はもっと少ないはずですが、種々の理由により、現在、もしくは将来的に大幅に増えることになると思います。このことは、また別の機会に述べたいと思います。
良心をもたない人の中には、知能の高い者もいれば、そうでないものもいる。金持ちがいれば、貧乏もいる。殺人者になるものもいれば、犯罪を起こさないケースもある。
が、いずれの場合でも他者の感情に無頓着で、自分の利益を優先させる。
経営者かもしれないし、教師や牧師かもしれない。政治家かもしれないし、ニートかもしれない。
マーサ・スタウト女史は、良心をもたない人に遭遇した場合、最善の策は逃げることだといいます。全力で離れること。詳細は本書をお読みください。
ドラマ・世にも奇妙な物語では、語り手のタモリさんが、「世にも奇妙な世界に迷い込む」というセリフをいうことがあります。どこかに人の顔をした存在がいて、彼らに関わることで、日常から逸脱してしまうかもしれない。
そこから戻れるか、大切な存在を守れるか。
地震や災害リスクへの備えと同様で、そういう異常な存在もいて、巻き込まれることもありえること、まずは知ることが重要なのではないかと感じます。
タグ:良心をもたない人たち
2012-10-19 09:57