メンタルヘルス問題を考える③働き盛り世代 [メンタルヘルス]
今回は働き盛りの世代の自殺動機・原因について見てみたい。
まずは30代の自殺原因・動機を見てみよう。
30代でもやはり健康問題が最大の原因になるのだが、2番目の経済・生活問題の増加が目に付く。
そして、経済・生活問題では女性の比率がかなり少ないのである。
では40代はどうか。
相変わらず健康問題が1位であるものの、経済・生活問題が更に増加している。
そして男性に限ってみると、経済・生活問題が原因の1位になっているのである。
続ける。今度は50代だ。
ここで、男女含めた自殺原因の1位に経済・生活問題が躍り出る。
40代、そして特に50代の、経済的につらい状況が伝わってくる。
ちなみに、30~50代を通して家庭問題の自殺者は700名前後、勤務問題の自殺者は600名前後で推移している。50代の「経済・生活問題」の自殺者は2,700名である。突出して高い。
「経済・生活問題」の詳細な内容が不明なので何とも言えないが、家計や借金といった問題のほかに、様々な生活上のトラブルがあると予想される。最近、法律事務所が個人向けに様々なサービスを(しかも低価格で)提供しはじめているが、ニーズの臭いを嗅ぎつけているのかもしれない。
いっぽうで、企業向けに、従業員がプライベートで抱える紛争問題(法律問題など)の解決に対応してくれる事業者があったと記憶している。そういったサービスを従業員のために企業が導入してくれたら、いざという時ずいぶん安心できるのではないかと思う。特に震災の影響で直接被災していなくても、多くの人がショックを受けている状況である。企業にとって一考の価値があるのではないだろうか。
もっとも、そういったサービスを導入できない零細企業、自営業者、無職者の状況も心配である。
紛争解決のはじめの一歩として、まずは法テラスを活用してみるのが敷居も低くていいかもしれない。
法テラスとは愛称で、正式名称は「日本司法支援センター」。敷居の高い法律問題へのアクセスを改善するために国により設立された独立行政法人。つまり公的な法人である。
電話でちょっとした相談をしたり、情報提供が受けられる。
※法テラス(日本司法支援センター)
追い詰められて精神的にも肉体的にも余裕がなくなる前に、まずは利用してみた方がいいと思う。
それにしても大震災の影響で日本経済は強烈なダメージを受けているだけに、今後が心配である。
2011-05-10 23:59