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ポピュリズム [今日のシグナル]




中東・北アフリカの民主化は、ソーシャルネットワークを活用した民衆による既存権力打破であり、多くの人にとって見ていて気持ちのいいものなのかもしれない。

※フェイスブック:民主革命支えた 独裁崩壊、カイロで「変化」実感(毎日Jp)
中東革命で活躍したツイッターやフェイスブック。エジプトの2月政変以降、イスラム過激派が台頭すると日本の新聞、テレビで中東専門家は危惧していたが、そんなことはなかった。エジプトの若者は欧米やアジアの若者と変わらない。9.11の時代はもう終わった。
・・・と、そんな感じの記事だ。

実は僕も、イスラム過激派等の何らかの宗教的・政治的団体が混乱を機に影響力を浸透させ、いずれは新たな支配体制を築いてしまうのではないか、と考えていた。
民主主義はそれを使うための土壌(共通する風習や考え方など)がないと、極めて脆く崩れ去ってしまうような仕組みだ。
極論としては、民主主義的に独裁者をつくりだし、民主主義的に民主主義を否定することもできる。

結局、僕の考えは的を外れたわけだ。杞憂だったのなら、それでいいのだが。

しかしいっぽうで心配な点も残っている。
エジプトでは警察の力が低下し、更には旧体制派が煽ったりと、治安の悪化も見られる。
自衛のための引き合い増加で、機関銃の価格は4倍に跳ね上がっているらしい。

また、政変後の新しい国家予算案がつくられたが、これが大衆迎合的であり、エジプトを更に弱体化させるのではないかとの指摘も出ている。食料や燃料、最低賃金などに対しての助成金を出す一方、投資や法人税などは引き上げる。来年度の財政赤字はGDPの11%に達するとみられる。

※参考
※エジプト予算案、ポピュリズムを反映(ウォールストリートジャーナル)

ポピュリズム、あるいは衆愚政治による国家の危機は、エジプトだけに限らない。
形は違えど、日本にも似たような傾向があるのではないかと心配する。
ソーシャルネットワークの力が、それをまた加速させそうな気がする。

ところで、ソーシャルネットワークはアメリカの戦略にどのように位置づけられているのだろう。
いや、どの程度の積極性をもって関与されているのだろう。これも気のせいだろうか?


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