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問題に向き合うということ [今日のシグナル]




大阪で、中学生の息子のトラブル相手だと勘違いした父親が、マンション近くで騒いでいた中3男子を包丁で刺すという事件がありました。口論となり、カッとなって刺したとのこと。言い訳のできない罪ですが、息子を守りたいという気持ちはわかるのと、「騒いでいる上に口論までする中3男子生徒」に同情したくない気持ちがありますが、よいか悪いかで言われたら、まったく良くない行為です。


最近、身内に甘いという風潮と、それを批判する風潮の2つが混在しているように見えます。

・某市役所、公務員さんVS市長の構図

・いわゆる原子力ムラVS反or脱原発の人々

・身内の生活保護費受給で問題となった芸人とその仲間VS一部の政治家、マスコミ、一般人


いぜん、あるお笑い芸人さんのコントで、こんなことをやっていました。

設定は、息子が万引きで捕まってしまい、親が引き取りにくるというものです。

父親は店長の前で、ひどく怒りまくります。
息子を殴り投げ飛ばそうとする勢いです。
その様子に驚いた店長は、それまでの自分自身の怒りが引いて、父親をなだめます。
で、帰そうとすると、父親と子どもはけろっとして反省の色なく、帰ろうとする。
で、店長がつっ込むと、また父親は怒る演技をする・・・というのを繰り返すコントです。


先日来、ワイドショーで話題になっていた芸人さん親族の生活保護問題。あれなんかも、先輩や同僚芸人が、手ひどく怒ってやればよかったんですよ。

「法律的に違反していなかったとしても、モラルに反する。お客さんたちを不快にさせてしまったことに違いはない。人を笑わせる芸人として失格だ。殴ってやりたいよ。反省するまで、しばらく謹慎させます。私達からもキチンとしかり、しばらく休ませます。そして、彼が反省して戻ってきたとしたら、そのときは許してやってください」

そのくらい言えばよかったはず。
事実、本当に怒ってあげられるのは、そしてそれが響くのは、身内や仲間だけじゃないですか。
しかし、事務所も先輩芸人も同僚も、後輩も、家族も、それをしない。


原発事故が起こった際、コンサルタントで経営者でもある大前研一さんが、問題点を分析するとともに代替案も出しながら、それまでの体制に対しても舌鋒鋭く批判していました。その後、特に追っていないので、どうなったかは知りませんが、さすがだなぁと思ったのを覚えています。


原発問題にしても公務員の政治活動問題にしても芸人の生活保護問題にしても、そして冒頭の事件にしても、身内を守ろうとする気持ちは仕方がないと思いますが、やや短絡にすぎるのではないか、と思うわけです。まったく解決していないどころか、余計にこんがらがっている。ひどくなっている。

これは問題を解決しようとしているのではなくて、感情を暴走させているだけなんじゃないかと思うわけです。


いまいちど、深呼吸をしよう。問題の根っこを考えるのは、不快なうえに根気が必要だ。ストレスも溜まりそう。もう一度、深呼吸。そして、問題に向かい合おう。そのほうが近道だ。


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