禁煙と健康ステージ理論 [ガン・生活習慣病]
「禁煙した後に増える体重はこれまで考えられていたよりもずっと多く、1年で平均5キロ近いとの調査結果が11日、英国医学会会報「BMJ」のウェブサイトに発表された。」
禁煙に対する言い訳の増えそうな調査結果ですね。
ですが、「とはいえ、体重増加による健康リスクは喫煙によるリスクよりもはるかに小さいと指摘する専門家グループもいる。喫煙が原因で死亡する人は世界で年間510万人に上るのに対し、肥満が原因の死者数は280万人とされている」、とのこと。
どのみち、喫煙者はタバコのリスクは認識しているはずです。
そのうえで、やめるか止めないかは、別の話。
また、今やめないからと言って、リスクを認識していないわけでもなく、永遠に喫煙を続けるわけでもない。
禁煙するにしても、それなりのステップがあるわけです。
健康ステージ理論というものがあります。
その人の心の状態を、(その健康行動に関して)-無関心期や、関心期、準備期など5つにわけます。
言い方を変えるなら、
・<無関心期> 禁煙に無関心な時期
・<関心期> 禁煙に関心を持ち始めた時期
・<準備期> 禁煙しようかなと思い始めている時期
・<実行期> 禁煙し始めている時期
・<維持期> 禁煙を続けている時期、維持している時期
というような感じでしょうか。
それぞれのステージによって、その喫煙者にとって必要なものが異なります。
よく言われる、医者の脅し透かしの説得が効かないというのも、その対象者の心の準備段階、つまり健康ステージとのミスマッチが原因です。
医療・保健スタッフのための健康行動理論の基礎―生活習慣病を中心に
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高齢者の運動と行動変容―トランスセオレティカル・モデルを用いた介入 (メディカルフィットネスシリーズ (2))
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ご家族の喫煙、飲酒、生活習慣に不満を持つ方、ただ闇雲にせめても効果は無いかもしれません。
戦略的に、計画的にアプローチしてみてはいかがでしょうか。
といっても、それが難しいから世の保健医療関係者を困らせているのですが・・・。
2012-07-13 20:34