SSブログ

富士山が噴火した場合の被害予測【火山灰】 [地震・火山]




最後の噴火から約300年間の沈黙を続ける、富士山。
東日本大震災の3.11以降、噴火の可能性について噂されることが増えてきました。

この度、内閣府は最後の噴火、宝永噴火並みの噴火があった場合、灰の除去に4日かかるとの試算を出しました。これは総噴出量約7億m3の火山灰が16日間降り続く現象を想定しています。

江戸時代の記録に、江戸の町でも空が暗くなり、火山灰が降り積もったとあります。それと同等ということであれば、東京近郊までが灰の被害にあうでしょう。
富士山 降灰可能性マップ.jpg

東京全域に1cmの降灰があった場合、その量は10tダンプ205万台にもなります。宝永噴火と同様に南関東一帯に大量降灰があった場合の除去には、10tダンプトラックが延べ約2,250万台必要になります。

灰は雪と違って溶けませんから、この除去は大変なものになるでしょう。

火山灰は、マグマが噴火時に破砕・急冷したガラス片・鉱物結晶片です。ここには火山ガス成分が付着していて、水に濡れると硫酸イオンが溶出し、これは金属腐食の要因になります。さらに湿った灰が乾燥すると固まります。

航空機や鉄道、車への影響も考えられ、物流が停滞する可能性もあります。また、電子機器や農作物など、幅広い影響が懸念されます。

体への影響も心配されます。有珠山噴火の際には、降灰が2cm以上の地域で目・鼻・咽・気管支の異常などが報告されました。雲仙普賢岳のケースでは、島原市民の約66%が健康面への影響(眼の痛み約8割、喉の異常が約6割)が出たといいます。

噴火地域の住民の避難場所の確保も必要になるでしょう。

おそらくは、富士山の噴火の前後には大きな地震もあると思われるので、複合的な災害になる可能性があります。

もし富士山が噴火したら

もし富士山が噴火したら

  • 作者: 鎌田浩毅
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2011/12/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



富士山噴火―ハザードマップで読み解く「Xデー」 (ブルーバックス)

富士山噴火―ハザードマップで読み解く「Xデー」 (ブルーバックス)

  • 作者: 鎌田 浩毅
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/11/21
  • メディア: 新書


対策としては、やはり日頃から日用品を多めに用意しておくに限ります。缶詰やインスタント食品など、日常でも食べられるものをストックしておくことをお勧めします。火山灰への対策として、マスクやゴーグルがあると安心です。

また、ビニール袋、サランラップ、ティッシュの類は色々な使い道があるので、ちょっと多めにストックしておきましょう。

大きな準備は面倒になって、途中で挫折してしまいます。
まずはできることから心がけてみるのがいいと思います。

なお、火山噴火については、ある程度噴火時期の予測は可能だと言われています。東日本大震災以降、リスクは高まっていますが、直近での噴火はなさそうとの見方です。

【参考サイト】
・富士山の火山防災対策(内閣府)
・火山対策(内閣府)
・富士山に迫る「その時」 過去の噴火、地震と連動も(中日新聞)
・富士山が大噴火したら…都内道路の灰、除去に4日必要(朝日新聞)


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。