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がん村と、日本の亡所 [ガン・生活習慣病]




環境汚染が原因でがん発症率が高い「がん村」が存在する-。

中国の話ですが、以前からこういったことは囁かれていました。そして何と今回、中国の環境保護省が「がん村」の存在を公式に認めたのです。

「急速に経済発展してきた中国では今、産業廃棄物や有害なスモッグを始めとする環境・健康問題をめぐって政府に対する国民の不満が高まっている。

 こうしたなか、環境保護省は今週公表した環境改善に向けた5か年計画の中で、「有毒・有害な化学物質によって、多くの場所で水や大気に深刻な問題が生じている」「一部地域では『がん村』さえ発生している」と指摘した。」

かつて東京でも大気汚染がひどかった時代、東京23区内から“こけ”が消えてしまった、とう話を聞いたことがあります。日本でも近代から高度成長期にかけて、様々な公害と公害病が発生しましたが、中国の現状を見聞きすると、日本とは比較にならないのではないかと心配になります。

数メートル先もくもって見えない都市。緑色の川。
映像で流れてくると、ゾッとしますよね。
果たしてこれは、人が無事に住める環境なのかと。
いや、無事なはずがないだろうと。

上記の記事によると、「2010年には米国の地理学者が、中国当局のウェブサイトやテレビ局などから集めた情報を基に、中国国内に241か所の「がん村」があると発表」したとのこと。また、「米セントラル・ミズーリ大学に籍を置くリー・リウ氏は、非公式な情報も含めると「がん村」は459か所あると指摘している」とのこと。

「がん村」の定義はさて置き、“人間の健康と生態系に対し、長期的・潜在的な悪影響をもたらしている”と疑われる場所が3桁もあるというのは、驚きです。

それらの地域は、回復が可能なのでしょうか?


日本の歴史を遡ると、“亡所”という言葉が時折出てきます。
亡所とは何かというと、災害や戦乱などで人が住めなくなってしまった場所ということです。
例えば江戸時代、富士山が大噴火した時には、山嶺の村々が亡所に指定されました。これは自然災害に由来する亡所ですね。場所によっては、3丈(約3メートル)も焼砂(火山灰)が降り積もり、畑も何もかもダメになってしまった。亡所に指定され、つまりは国から見捨てられてしまったわけです。この場合、復旧に数十年かかっています。

島原の乱や、歴史の闇の深い「小生瀬事件」などは、戦乱に由来する亡所でしょうか。ちなみに下記の本は「小生瀬事件」という歴史の闇を題材にした衝撃の逸話を元にしています。興味のある方はどうぞ。

神無き月十番目の夜 (小学館文庫)

神無き月十番目の夜 (小学館文庫)

  • 作者: 飯嶋 和一
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2005/12/06
  • メディア: 文庫


最近になってこの亡所という言葉が、改めて注目されました。

理由は、そう、あれです。
東日本大震災です。人の住めなくなってしまった地域が多くありますね。
その極めつけが、福島原発事故です。

一部の地域に、人がまったく住めなくなってしまった。

土地や、生態系の回復は可能なのでしょうか。


話があちこちに飛んでしまいましたが、中国の「がん村」のニュースはショッキングです。
「がん村」というネーミング自体が衝撃的であり、さらに海をわたって外国(日本など)にまでわたってくる公害が、今注目を集めています。

今後、公害をもとにした病気やら何やらが、続々と出てくるように思います。

中国が「がん村」の原状回復に着手するのか、それとも亡所のように見捨てるのか。或いは何もしないのか。今後の対応に注目です。


タグ:がん

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