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7年前には既に!?マダニから感染する病気の衝撃 [感染症]




気になるニュースが入ってきました。
このブログで何度も取り上げたことのある、ダニ経由で感染する新しい感染病のことです。
長崎県の男性が国内5例目の感染者としてあがったのですが・・・。

<過去の記事の一部>
・中国で発生したマダニ媒介の新感染症、日本上陸
・致死率12%-ダニが媒介する新しい感染症、国内で続々発見!?

なんと感染したのが2005年だというのです。

上記の過去ブログ記事でも取り上げましたが、これまでのこの感染症の経緯は次のように考えられていました。

・2009年3月~7月中旬にかけて、中国中央部(湖北省及び河南省の山岳地域)で、原因不明の疾患が集団発生

・2009年、米国ミズーリ州においてSFTS様疾患の症状を示す患者が2名発生(SFTSウイルスに似た、近縁のウイルスによる)

・2012年に日本国内で感染した患者が死亡していたことが2013年になり判明

ところが、今回判明した長崎県の男性は、2005年秋に既に死亡している。

このダニ由来の感染症が、思われていた以上に古くからあったことがわかりました。


ここで、この感染症についてもう少し詳しく見てみましょう。

これは、野外に生息するマダニ(ダニの一種)を介して感染するとみられる、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)といいます。

このウイルスに感染した場合、潜伏期間は噛まれてから6~14日程度。
症状としては、原因不明の発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が中心で、時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸器症状(咳など)、出血症状(紫斑、下血)を起こします。
致死率は10%~30%。おそらく10パーセント代になるのではないでしょうか。

思ったよりも広く感染が広がっている可能性があります。
であれば、軽い症状で済んでしまい、感染していることが露呈していないこともありえます。その場合、感染者の母数は増えますから、致死率はもっと下がるかもしれません。

とはいえ、かなり危険な病気ですよね。

それでは、感染するきかっけとして見られている、マダニとはどんなダニなのか。
マダニは森や草むらに生息していて、日本では青森以南に広く分布していると見られています。

硬い外皮に覆われていて、ダニとしては比較的大きくて3~4mm(吸血前)ほど。
目で見ても見える大きさです。

どんな見た目かというと、こちらの画像をご覧ください。
・マダニの画像

このマダニ、噛み付くと長時間吸血するらしく、数日から長いと10日間もくっついているといいます。
皮膚にしっかりと口器を突き刺しているので、無理に引き抜こうとするとそれらが皮膚内に残ってしまう可能性もあるので、病院で処置してもらったほうがいいでしょう。

マダニの活動が活発化するのは春から秋にかけて。
つまり、これから要注意のシーズンとなります。


さて、これまで国内で感染者が確認されたのは以下の地域。
山口、愛媛、宮崎、広島、長崎。
感染例は5つで、いずれも死亡しています。
他にも疑い例があり、5例が検査待との状態。

現時点の情報を見ると、西日本での感染例ばかりです。

とはいえ、たとえ東日本だからと言って、安心しないほうがいいでしょう。
マダニに噛まれたからといって、そのマダニがウイルスを保有しているかは不明ですし、感染するとは限りません。とはいえ、マダニ自体は広く国内に分布しています。症状の重さから見て、油断するべきではないと思います。少なくとも、この病気について具体的なことがわからない現段階では、気を抜くべきではなく、注意をするべきところではキチンと注意をするべきでしょう。

ナーバスになりすぎる必要はないと思いますが、春以降に山や草むらに入る場合は、肌の露出などに気をつけたほうがいいでしょう。暑い季節になると辛いですが、山や草むらに入る場合は、短パンやサンダルなどは避けたほうがいいかもしれません。


果てさて、いったいどのくらいまで広がっているのか・・・。


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