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中国で発生したH7N9型の鳥インフルエンザの不思議 [感染症]




中国で発生している、H7N9型の鳥インフルエンザの人への感染が話題になっています。

鳥インフルエンザというのは、本来であれば野鳥や家禽など、鳥がかかるインフルエンザです。この鳥のインフルエンザがブタや人に感染することもあるのですが、人に感染することによってウイルスが変異し、“鳥のかかるインフルエンザ”から“人のかかるインフルエンザ”へと変わってしまうと、人間の間で大流行してしまいます。


インフルエンザには幾つかの種類があって、前々から世界中で警戒されているのはH5N1型の鳥インフルエンザ。まだ鳥主体のものですが、人に感染することもあり、現に世界中で数百人の感染例が見られています。警戒されていた理由は、感染すると重い症状が出るからで、人の場合でも致死率60%とかなりの危険ウイルス。このように重い症状の出るインフルエンザウイルスは強毒性があると分類されます。重くなければ、弱毒性。

さて、今回の問題になっているH7N9型の鳥インフルエンザなんですが、2つの不思議なポイントがあります。

1つ目は、これまで人への感染例がなかったこと。
何故に突然、中国で数例も症状が出始めたのか。しかも1カ所ではなく、すでに広範囲に広まっているようにも見えます。単に把握されていないだけなのか?

2つ目は、鳥や動物では症状の軽い“弱毒性”とされていたものが、なぜ人に感染した場合、強毒性に変わっているのか?何故でしょう?

根拠を無視して、可能性を上げるだけであれば、いくつか上げることができると思います。
例えば、本来はもっと広く感染が広まっていて、多くは軽い症状であり目立たなかった。
或いは、ウイルスは2つの大きな変異を起こした。これは珍しいことだと思うのですが、つまり、人への感染への変異と、弱毒→強毒への変異。2つの大きな突然変異が、同時か、或いは近いタイミングで偶然起こった・・・。

もしくは、人為的な発生・・・。


現時点で素人が可能性だけを指摘するのも無駄な話でしょう。現に危険性の高いと思われるウイルスは隣国で発生していて、広まる可能性があるのですから。

どの程度、広がりのあるウイルスなのかは現時点では分かりません。
発生が確認された場所が中国というのも、問題を見えにくくしています。

ですが、個人も企業も、ある程度の備えは覚悟しておくべきでしょう。

まず、感染予防に注意を払うこと。

もしかしたら、身近にウイルスがやってくるかもしれません。
1度の咳やくしゃみによって放出される、数万個の飛沫(小さな水の粒)。そこにウイルスは乗って、直接あるいは間接的に人から人への乗り移って行きます。

例えば、口から飛び出た飛沫は、空気に乗って数メートル移動します。そして手すりへ。手すりから別の人の手へ。その人の手から、書きあげた髪の毛や、頬杖をついた頬へ。

念入りな手洗いや、手指の消毒なども必要になると思います。

野鳥や死んだ鳥などへの接触も、もちろん控えるべきでしょう。
発生している中国ではもちろんですが、国内に置いても、無用な接触は控えるべきだと私は思います。

ちなみに、このような事態が起こると、鶏肉や卵を回避したりという話も出ますが、私は十分な加熱をすれば大丈夫だと考えています。このあたりに関しては、厚労省や農林水産省あたりが情報を発信するでしょう。

企業であれば、いざパンデミック(爆発的流行)に備えて、従業員の出社や会社の運営体制についても一考しておくべきだと思います。状況次第では、社員の出社が制限されたり、物流が滞ったり、といったことは、最悪のケースですが考えられます。そこまで大げさな話にならなかったとしても、職場のように人の集まる場所では感染症は広まりやすいのは当たり前。1つの職場で感染が広まり、みなが病欠ということも十分にあり得ます。

このウイルスが世界に広まるのか、あるいは封じ込めることに成功するのか、もしくは自然と収束していくのか、現時点では分かりませんが、そこに危機がある以上、誰しもが警戒してしかるべきかと思います。


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