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騎士という役割 [犯罪・事故・防犯]






「1852年以降に世界で起こった有名な海難事故18件について調査した。結果、男女間の生存率では、男性が女性の約2倍の確率で生き残っていたことを突き止め、82ページの報告書『誰もがわれ先に――海難事故におけるジェンダー、規範、生存』にまとめた」

故に難破船上で女性や子どもを優先してボートに乗せるという騎士道は幻想、という記事。
ほとんどの事故で、男性の生存率のほうが高いということです。

生存率と、ボートに優先的に乗せたかどうかということは、一概にイコールではないと思います。二アリーイコールではあるでしょうけど。


さて、身もふたもない現実的な結果が出たわけですが、例外ともいえる、女性の生存率が抜群に高い事故が2件だけあったようです。


1852年のバーケンヘッド号と、かの有名なタイタニック号が、それ。


では、なぜこの2つの事故では、女性が多く生き残れたのか。
この2つの事故には、共通点があります。

・船長が女性と子供を先に救命ボートに乗せるように命令していた

・船員たちが武装し、男性たちを脅して救命ボートに近寄らせなかった


残念な結果ですね。
しかし、こと生存に関わる事態なわけですから、生存本能がフル回転することに対し、安全な場にいる我々がなじるのも気が引けます。


さて、この記事を読んで思い出したのが、「生き残る判断 生き残れない行動」に書かれていた、アメリカで起きた、ある火災事故に関すること。
生き残る判断 生き残れない行動

生き残る判断 生き残れない行動

  • 作者: アマンダ・リプリー
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/12/17
  • メディア: 単行本


その現場はパーティー会場だったのですが、そこでヒドイ火災が起きた。大惨事です。

迅速に避難しなければいけない場面ですが、そんな中、人々の行動は2つに分かれた。

避難の誘導や負傷者の介助をする人と、誘導される、或いはただ呆然とする人。


この両者の行動を分けたものは、“与えられた役割”だといいます。

医者であっても消防士であっても、自身が客であるという意識があれば、非常に受身な行動になる。反対に、単なる一般人で災害に関する知識や体力がなかったとしても、自分はその会場のスタッフであり客を守る責務があると意識していれば、進んで救助なり避難誘導なり介助なり、能動的な行動に出る。

役割を与えられるというのは、非常に重要なのかもしれないですね。

詳しくは、本書を。

生き残る判断 生き残れない行動

生き残る判断 生き残れない行動

  • 作者: アマンダ・リプリー
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/12/17
  • メディア: 単行本





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