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災害に巻き込まれた時の行動パターン [今日のシグナル]




よく言われることだが、犯罪や災害、事故などの現場において最も怖いのは、パニックではなくボケである。


人間は社会性のある動物なので、周囲を人たちを見ながら行動してしまう。

例えば。


道を歩いていて周囲の多くの人が上を見ると、つられて自分も上を見てしまう。
前を歩いている大勢の人たちが突然走り出したら、とりあえず自分も走り出そうとする。

これらは社会実験でも、さらに最近ではテレビのバラエティ番組の実験でも行われている。


ゆえに、災害や事故などが起こった場合、自分1人だけが脅威を感じていたとしても、なかなか迅速に行動しにくい。周囲にあわせてしまうのだ。

突発的な危機という事態に直面してもなお、浮いてしまうことを恐る。

反対に、段々と恐怖や危険性が周囲に伝わり、行動する人の量が増えた場合はどうなるか。一定量を超えた時点で、パニック的になる。

で、おそらく、日本人的にはパニックよりも行動の遅滞の方が多いのではないか、と私は思う。


とはいえ、日本だけの特殊な行動ではない。
数年前のスマトラ島地震の津波の時も、人々は直前まで笑いながら襲いかかってくる津波を眺めていた。そういった映像(のんきにホームカメラを向けていた)がよく流れていた。

また、9.11のアメリカ同時多発テロの際にも、避難するときに次のような行動が見られたという。
・迅速に避難せずに、まずは情報収集しようと電話をかけたりネットを見たりしている
・気にせずに仕事を優先しようとする
・逃げる前に、律儀にPCをシャットアウトしたり、荷物の準備をしたりしている
・ゆっくりと、のろのろと歩く
※参考↓↓↓

生き残る判断 生き残れない行動

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映画などではパニックの様が描かれる。ほとんどがそうだ。
そして実際、焦燥が一定レベルを超えてしまえばパニックになる。

しかし、大抵の場合、人はゆっくりと行動する。
これは意外だが、しかし事実である。

今、また地震が増えている。
今年も台風や竜巻といった災害が起こるかもしれない。
更には、数年前には想像もできなかった、テロや紛争リスクを日本は抱えつつあるように見える。

だからこそ、何らかの渦中に巻き込まれる恐れがある、そう意識する事が必要だと思う。


その一歩として、まずは職場の非常階段の確認や、自宅周辺の避難場所の確認などをしてみよう。


人はなぜ逃げおくれるのか ―災害の心理学 (集英社新書)

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タグ:地震 災害

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