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「助けてください」は言う価値のある言葉だ [経済・家計・生活]




「金欠病は中々治らない」とは、よく言われる言葉です。
これは個人でも企業でも当てはまり、ひとたび金欠病にかかってしまうと、長患いになってしまいます。一度はまってしまえば中々抜け出せない、それが金欠病です。

これを、貧困と言い換えてもいいと思います。
貧困も一度はまってしまうと、そこから抜け出すのが本当に大変です。

銀行の口座に100万円の残高がある場合、150万円まで増やすのは節約と努力で何とかなるものです。

しかし、一旦残高がゼロになってしまった場合、ここから先ほどと同じ50万円を増やすのは、並大抵のことではありません。それが、残高ゼロどころかマイナスになってしまった場合は、困難は倍々で増えていきます。

預金残高が100万円というのは、決して多い方ではありません。

しかし、100万円の残高を150万円まで増やすその労力と、0円から50万円まで増やすその労力は、比較になりません。その理由は私にもわからないのですが、しかし、残高0円になった経験のある人であれば、このあたりは実感を伴い納得できると思います。

貧困から脱するのは非常に難しい。

日経ビジネスオンラインで興味深いコラムが掲載されていました。
遙 洋子さんの連載コラムです。
富裕層にとって貧乏は“趣味”だ

富裕層はもちろんですが、残高(=余裕)のある人が行う節約と、貧困層におけるそれとは、明らかに意味が異なります。コラム中に次のような言葉が出てきます。

「助けてください」は言う価値のある言葉だ

これは価値のある言葉であると同時に、言わなければいけない言葉でもあります。

コラムの中で、(本当は富裕層である)芸能人が八百屋で無料の物をもらおうとする節約テレビ番組の事が書かれています。彼らは値切り、捨てる野菜をくれとお願いし、相当の低コストで野菜をゲットします。

しかし、本当に困窮している貧困層の人が同じことを言えるか?言えないのではないか。本当は裕福である芸能人だからこそ、簡単に捨てられる羞恥心ではないのか、等々、詳細はコラムをご覧ください。

上記の裕福な芸能人や、不当な手段で福祉を食物にする輩もそうですが、“本当に困っていない人”ほど、助けを気楽に求められます。それは羞恥心を捨てても平気なほどの余裕があるからなのですが・・・。貧困に限らず、本当に困っている状態でない人ほど、ねだりやすく、不服も言いやすい。


本当のSOSを聞き漏らしてはいけない。
そして、助けてくださいは言う価値のある言葉だということも忘れてはいけません。


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