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脱グローバル化の動き★静かなる大恐慌 [【参考】 本、資料など]

前回、来年を考える上で、ということで本を紹介しましたが、今回も1冊紹介します。
・働き方を再考する。ワークシフト。

このところ貧困や格差による問題が色々なところで見られます。つい先日の韓国大統領選でも、これまでの経済大統領のもとで進んだといわれる格差と、財閥批判が話題になっていました。格差問題でセットとして話題になるのはグローバリズムです。

これらのキーワードに言及し、グローバル化の行きづまり、そして「脱グローバル化」への急反転にどう備えるか、ということで話題になったのが本書です。

静かなる大恐慌 (集英社新書)

静かなる大恐慌 (集英社新書)

静かなる大恐慌 (集英社新書)

  • 作者: 柴山 桂太
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/09/14
  • メディア: 新書


著者によると、現在の状況は1929年の世界大恐慌時代と似ていると言います。ただ、金融技術や財政政策が向上したため、目に見えての大きなショックが感じられない。「静かなる大恐慌」だと言います。

また、かつての国際貿易や大恐慌が、やがて世界を巻き込む大戦争を呼び寄せたように、現在のグローバリズムや世界的な経済不安も、地政学的リスクや国家間の対立を招くとも指摘しています。

これからの経済政策は、景気は、政治は、国際関係は・・・?
新書なので分量も手ごろで読みやすく、今後を考える上で参考になる1冊です。

働き方を再考する。ワークシフト。 [【参考】 本、資料など]

2012年も年末が近づいてきました。
マヤの暦に関する終末論でみれば、もう世界は1日2日しかないということになります。
それでも明日が、来年が来ることを信じて、生きていかなければいけません。

来年を考える上で、今年気になった本をご紹介したいと思います。
まず、私たちの働き方について。

安心して生活をしていくことを考えると、収入の安定は大前提だと思います。
ところが、私たちの働く環境というのは、最近ではだいぶ不安定になってきている。私たちを取り巻く“働き方”の未来は、どうなるのか。私たちは何を準備しておくべきか。

ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉

ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉

ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉

  • 作者: リンダ・グラットン
  • 出版社/メーカー: プレジデント社
  • 発売日: 2012/07/28
  • メディア: 単行本


本書は今年の後半、話題になった本の1つです。
世界の垣根は低くなり、フラットになります。その分、競争も激しくなり、私たちは孤独と貧困に襲われかねません。

先進国の貧困問題というのは、2008年のリーマンショック以降、大きなテーマの1つになっています。

働き方の選択肢を自分で決める必要がある。孤独と貧困をいかにかわすか。生活するうえでの自分の幸福をどう規定するか。

本書が指し示す未来がはたして現実になるかどうかはわかりませんが、現在既に起こっていることをもとに2025年を予想しているため、現在を読み解く上でも参考になります。

この冬、働き方をもう一度再考してみませんか?

おすすめします。

〔読書〕生き残る判断 生き残れない行動-大災害・テロの生存者たちの証言で判明 [【参考】 本、資料など]


生き残る判断 生き残れない行動

生き残る判断 生き残れない行動

  • 作者: アマンダ・リプリー
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/12/17
  • メディア: 単行本


大きな災害に直面してしまったとき、生き残るためにはどうしたらいいだろう?
運をたよりにする?とんでもない。

本書は9.11や巨大ハリケーン、時には銃撃戦などの重大な脅威に直面し生き残った人たちを取材した本。

「災害は予測できるが、災害に遭って助かるかどうかは予測できない」が、危機的状況下では支配的になってくる人間の性質を知ることで、生き残るためのヒントを栄養としている。

本書では、危機的状況下で人は「否認」「思考」「決定的瞬間」という3つの段階を通ると指摘する。
本書で取り上げられている様々な事例から、僕たち人間が危機に直面したさい、どのように考え、どのように行動するのかがわかってくる。そして長い間、災害に対して間違った対策をしていたことを理解する。

日本は今年、東日本大震災を経験した。本書を読んでいると、この大震災にもぴたりと当てはまることの多いことに気がつく。

この本の内容を知っているかどうかが、もしかしたら明日の僕の命を左右する・・・ことがあるかもしれない。
いや、実際に本書を読んで危機的状況に直面したら、必ずや他の人と行動が異なると思う。命を救う本かもしれない。

僕のこの本、付せんだらけになっています。いちおしの良書です。

〔読書〕2円で刑務所、5億で執行猶予 [【参考】 本、資料など]


2円で刑務所、5億で執行猶予 (光文社新書)

2円で刑務所、5億で執行猶予 (光文社新書)

  • 作者: 浜井浩一
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/10/16
  • メディア: 新書


先ほどのブログ記事で少し紹介した本。
※安全・安心メールサービス(犯罪や不審者情報の提供サービス)

犯罪に関して我々が信じていた常識をひっくり返してくれる。

例えば、
・少年犯罪は増えていない
・少年犯罪は低年齢化していない
・家族内殺人は増えていない
などなど。

アプローチの仕方が、昨年話題になった本
デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)
に似ている。
そう、今本当に問題なのは少年犯罪ではなく・・・。

「へぇ」と思うような事例が多く、思い込みが外されて面白い。

が、本当に効果のある防犯や更生の取り組みをするためには、やはりコストと労力がとても大きくなるのだなと再認識してしまう。

著者は浜井浩一・龍谷大学大学院教授。法務省で犯罪者の更生に携わってきた方。
ワイドショーのキャスター等による過剰な演出による情報提供のあり方に疑問を投げかけ、安易なポピュリズムに警鐘を鳴らす。

犯罪者への厳罰化とは逆の路線の本。
僕も昨今の凶悪事件に関するニュースを見聞きするなかで、直接知るわけでもない犯罪者に対して憎悪にも似た感情を持っていた。どうにも制するのが難しい感情である。
その感情に対し、“もう一つの視点を知る”という鎮静剤的な効果があって良かったと思う。

〔読書〕病が語る日本史 [【参考】 本、資料など]


病が語る日本史 (講談社学術文庫)

病が語る日本史 (講談社学術文庫)

  • 作者: 酒井 シヅ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/08/07
  • メディア: 文庫


今のように、救急車も予防接種も病院もない時代は、どんな時代だったんだろう。

本書「病が語る日本史」は、縄文時代から近代までの、日本の病気の歴史を記している。
著者は医史学を専門とされる、順天堂大学客員教授の酒井シヅ先生で、なんと人気ドラマJINの医療指導・監修などをされている。
※日曜劇場JIN-仁-(TBS)
蛇足だが、この、ドラマ「日曜劇場JIN-仁-」を見ている人なら、2度楽しめると思う。「あれ、それは・・・」と思う場面、ニヤリとできる場面がいくつかある。

さて、本書のあとがきにはこうある。

「昔は生まれること自体、もっともたいへんであった。
 そして生まれても、天然痘や消化不良でばたばたと死んでいった。
 一人前に成長するまでに、命を脅かす様々なことに出会った。
 だから、こどもの成長にあわせた通過儀礼が重い意味をもったのである」

昔は病がウイルスや細菌などが原因などと分かるはずもなかった。
何が原因かというと、統治者の政治であったり、あるいは怨霊などが原因であると考えられていた。

一般人であろうと時の権力者であろうと、病はわけ隔てなく襲う。
病がはやり、世の中が荒れすさぶなかでできることは、祈ることであったり、大仏を建てたりすることくらいだ。

妊娠後は帯祝いをし、出産すればへその緒を神棚に供える。
出生七日目にはお七夜で祝い、三十日前後には氏神様にお宮参りをする。
百日目にはお食い初めを、1歳になれば誕生初祝いをし、その後も節句や七五三、十三参り、成人式と祝う。
いまでは半ば単なるイベントになった感もあり、やたら行事が多いな程度にしか思わなかったが、それぞれに切実な想いや意味があったのかもしれない。

ある地方では天然痘を無事に乗り越えてから初めて名をつけ誕生を祝うという。

本書はとても面白い。
病に対する見方も変わる。

歴史上の偉人や時の権力者が、病の恐怖におびえ、祈ることしかできないというのはどんな状況だろうか。

そして医学の発展により、どれほどの死の病を克服することができたことか。かつての権力者が怯えていた病を、我々は予防接種1つで回避できてしまうのである。

こうした西洋医学の進歩がある一方、その反動からか、昨今では“自然にかえれ”的な流れ(代替医療など)も見られる。

“祈祷はこころを癒したが、からだの異常を捉えることができなかった”が、今の医学は“詳しく調べて結果を出すが、こころをからだに置き去りにしてきた”という側面があるのかもしれない。
(余談だが、日本人は昔から“自然”好きだと思う。ここでいう自然はアマゾンのようなむき出しの、生の自然ではなく、作られ管理された半人工的な自然のこと)

ともあれ、本書はとても面白い。
知的好奇心も存分に満たされる。特に歴史好きな人にとっては必読だと思う。

本書に興味をもたれたら、是非中身をみてください ↓(アマゾンへのリンク)。

病が語る日本史 (講談社学術文庫)


タグ:JIN-仁-

〔読書〕HEALTH HACKS! (ヘルスハックス) [【参考】 本、資料など]

少し前から、ビジネスパーソンの間で運動が流行している。運動といっても、結構ハードなものが流行っている。上場しているような企業のCEOが、マラソンやトライアスロンにハマっている、ということを度々耳にするようになった。

健康に対する意識はかつてないほど高まっているのではないかと思う。

ビジネスパーソン向けの健康の入門本として、この本は分かりやすい。

HEALTH HACKS! ビジネスパーソンのためのサバイバル健康投資術

HEALTH HACKS! ビジネスパーソンのためのサバイバル健康投資術

  • 作者: 川田 浩志
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2009/02/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


この本はトライアスロンなどをやるような上級者向けというよりは、初心者向けだと思う。
それだけに、カバーされている範囲は広く、さらに丁寧である。

本書の著者は東海大学の抗加齢ドック准教授で、東海大学ライフケアセンター副センター長などをつとめる医学博士。
健康オタクであり、更にはかなりのビジネス本好きということで、本書の各章各項目のタイトルは、全てビジネス本がもとになっている。

目次の例をあげよう。

1 健康の経済学
  ・道は開ける
  ・健康で人を動かす
  ・・・

2 7つの健康習慣
  ・眉ツバ健康ビジネスは、なぜ潰れないのか
  ・ラテラル・シンキングで、さあ健康に目覚めよう!
  ・・・

3 はじめての課長の健康教科書
  ・女性は「インディペンデントな生き方」をした方がよい?
  ・地頭力を鍛えるカロリー推定
  ・お酒はフレームワークで考える
  ・・・

4 「仕組み」健康術
  ・レバレッジ朝食術
  ・さあ、水に目覚めよう
  ・・・

5 「脳を活かす」健康法
  ・非常識な健康法?
  ・女性だけのスイートスポット
  ・・・

6 「モテる」健康法
  ・歯を白くする方法
  ・健康の「鏡の法則」


とまぁこんな感じで、ビジネス書をよく読む人にとっては各章のタイトルにニヤリとしながら、抵抗なく読めるのではないかと思う。

肥満、運動といったものから、朝食、睡眠、水、抗加齢、白髪・薄毛、臭い、サプリメントと、非常に幅広くカバーしていて、具体的な方法も提示されているのでわかりやすい。
幅広い一方で、それぞれの各項目に物足りなさを感じる人もいると思うが、巻末に参考資料・文献も記されているのも有難い。

全体を通して非常に分かりやすく、読者に対して親切丁寧だと思う。

健康に興味を持ち始めたビジネスパーソンにお勧めです。
タグ:健康

〔読書〕脳を鍛えるには運動しかない [【参考】 本、資料など]


脳を鍛えるには運動しかない!―最新科学でわかった脳細胞の増やし方

脳を鍛えるには運動しかない!―最新科学でわかった脳細胞の増やし方

  • 作者: ジョン J. レイティ
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2009/03
  • メディア: 単行本


人間の歴史は移動の連続でした。

数十万年(あるいは数百万年)という人類の長い歴史のなかで、人類は狩りをし、獲物や食材を求め、やがて出アフリカで世界各地に広がっていきます。そして移動を続ける中で、人類は更に飛躍的に進歩していきました。


五感を研ぎ澄まし、獲物を探す。
怪我をしたら一大事なので、足元への注意も怠れない。
他の動物に捕食される危険性も高い。周囲を警戒する。

頭と五感をフルに使って、そういった環境に適合してきました。
そうやって長い年月を過ごして来たのです。

1日あたり、男性の場合は10㎞前後移動していたといいます。
運動するという環境が当たり前でした。
私たちの身体は、そういうふうにできています。人間という生物は、どんな環境でその能力を発揮できるか?


翻ってみて、私たちの生活はどうでしょうか。
特にこの数十年、数百年、運動は私たちから劇的に遠ざかっています。人類が過ごしてきた長い年月からすると、この数十~数百年は一瞬の出来事です。
私たちの環境は、頭と五感をフルに活用できる環境でしょうか?


本書はまさに運動と脳との関係を解きほぐした良書です。
最近まで脳ブームがありましたが、本書はブームに乗っただけの安直な内容ではありません。

著者は医学博士で、ハーバード大学医学部臨床精神医学准教授(出版当時)。開業医でもあります。。また、1998年から、同業者から選ばれるベストドクターに選ばれ続けている(ベストドクターズ社でしょうか?)らしく、腕のいいお医者さんのようです。

著者はいいます。
「筋力や心肺機能を高めることは、むしろ運動の副次的効果にすぎない」


私たちは「運動は体の健康のためにやるものだ」と考えています。

そうではない、と著者は言います。
「運動の第一の目的は、脳を育ててよい状態に保つことにある」


本書を読み進めるうちに、納得させられるだけの十分なデータや実例を目にすることができるでしょう。

目次を紹介。
第1章 革命へようこそ-運動と脳に関するケーススタディ
第2章 学習-脳細胞を育てよう
第3章 ストレス-最大の障害
第4章 不安-パニックを避ける
第5章 うつ-気分をよくする
第6章 注意欠陥障害-注意散漫から抜け出す
第7章 依存症-セルフコントロールのしくみを再生する
第8章 ホルモンの変化-女性の脳に及ぼす影響
第9章 加齢-賢く老いる
第10章 鍛練-脳を作る


一方で、運動には心臓や病気など様々なリスクが伴います。そういった点でみると、本書の第1章で紹介されている、アメリカのある学区での取り組みは目を引きます。

この学区では、単に体を動かしたりスポーツをしたりする体育とは別に、健康について教える“フィットネス”の時間をとっているという。

ここの生徒は、心拍計の使い方を学び、自分の限度にあった運動量を把握したり、血圧やコレステロール値など記録し、自分の健康状態の読み方を学ぶ。ライフスタイルや家族の病歴などから、なりやすい病気とその予防策なども示される。

健康管理を、実践を伴って学べるというのは子供にとってまさに一生モノの宝ではないでしょうか。

350ページ弱と結構な厚みがありますが、抵抗なく読み進めることができます。
本書への評価、感想は、アマゾンの他のレビューも参考にしてみてください↓


脳を鍛えるには運動しかない!―最新科学でわかった脳細胞の増やし方

幅広い人に本書をお勧めできます。
タグ:運動

影響を受けている書籍やサイトなど [【参考】 本、資料など]

ブログを書くにあたって、参考資料やウェブサイトのURLは極力貼り付けているものの、ちょっと面倒だな、と感じることがある。

そこで「【参考】 本、資料など」というカテゴリーをつくり、僕が参考にしている書籍やサイト、資料などをまとめておこうと思いました。

ブログ記事でわざわざ言及してはいなくとも、このカテゴリ内で取り上げられている書籍、サイトからは一定の影響を受けていると考えてもらって結構です。
【参考】 本、資料など ブログトップ

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